なぜ不動産投資を始めるのか。収益を上げたいのか、将来の資産形成を目指しているのか、税金対策での投資なのか等、目的によって投資先や戦略が異なります。
目的により投資する物件が変わりますので明確にする必要があります。
ですので、不動産投資を始めるには、まず目的を明確にすることが大切です。
ここでの目的とは「相続税の軽減のため」、「所得税の軽減のため」、「事業承継の対策として」、「資産の組み換えのため」、「収益を上げる」、「資産形成のため」等があります。
目的により投資先(新築、中古、都心、地方、1棟アパート、ビル、区分所有マンション、戸建て等)が変わり、戦略(金額の大きさ、今後買い増しをするのか、いつ頃に物件を取得するのか等)を立てることが大切であり重要なポイントになってきます。
目的と戦略が確定していないと物件を探すときに何をどのように探すのか時間がかかり、他者と物件が競合したとき負けてしまうことが多々あります。
また、銀行などの融資を利用するときのことも考えなければなりません。
その中でも今回は相続税ついてお話ししていきます。
相続税軽減のため
不動産で相続税の軽減をするためには相続税の仕組みを理解することが必要になります。
日本の税制では人が亡くなった時にはその資産に対して税金を払うことが決まっています。課税の対象となるものは現金、貴金属、有価証券、不動産などが対象になります。
これらの評価額のトータルに相続税がかかることになります。
不動産が相続税の対策に適している要因としては、建物評価額と実際に投資にかかる費用との差を利用したものになります。
また、所有している土地の評価額も借地権割合・借家権割合の効果により軽減することができます。
例えば、土地建物評価が2億円の物件を買ったとします。この物件の課税評価額は1億円になることがあります。
これは不動産が時価の価格よりも安く評価されるからです。
なぜ実際の評価額よりも低くなるのか、これから説明していきます。
まず、土地の評価には「一物四価」と呼ばれる評価の種類があります。
時価、公示価格、路線価(相続税路線価)、固定資産税価格の4つです。
この評価に差があるため相続対策が可能になります。
先ほどの例の場合、資産を2億から1億に圧縮したと考えられます。この差が相続税の対策として使われるのです。
つまり、2億の資産を持つ方がこの物件を買うと、相続税は1億円分しか払わずに済むということです。
次に、建物の評価は賃貸物件の場合、資産価値が低くなります。
貸家建付地や実際の購入価格ではなく固定資産税評価額で判断するためです。
簡単に言うと、相続税の評価額は実際に買った値段よりも価値が下がるように計算されると言うことです。もちろん、不動産としての価値が下がったと言うことではありません。
では、先ほどの例をもっと分かりやすく見ていきましょう。
2億の資産を持っている方がいます。
家族構成は本人、妻、子ども2人とします。
この方の相続税は相続対策をしない場合、2億円に対して相続税がかかるため、1,350万になります。
(相続税の計算方法に関してはここでは扱いません。)
この方が先ほどの物件を購入したと想定します。すると相続税は評価額の1億円に対してかかることになります。
その場合の相続税は315万まで減額することができます。
つまり、約1000万円の相続税を払わずに済んだと言うことになります。
このような評価額の差を利用したことが相続対策になるのです。
では、どのような物件が適しているのでしょうか?
相続税対策に適している物件は、次の2つの条件を満たしている必要があります。
1つ目は実際の購入価格(時価)と相続税評価額との差が大きいものになります。
その差大きければ大きいほど相続税対策に直結します。
2つ目は利益(利回り)を追求しすぎないことです。
利益(利回り)は低くても安定して経営できる物件を選ぶことが重要なポイントと思われます。